都心でラグジュアリーな暮らしを送れたら？

第一種低層住居専用地域かつ真北向きの敷地（南道路）で制限の多い敷地だなという印象でした。斜線の影響でボリューム的に削れてくる部分があり階段の位置など限定されてしまうのですが、その中で車庫や玄関の広さやリビングの間口感を調整し、ゆとりを確保できるよう計画していきました。

間取りについては1階水廻りパターン・2階水廻りパターンの2案で検討していましたが、家事動線を考慮し、中間階である2階水廻り案で進めることになりました。キッチン回りにパントリーを作ったり、スペースにゆとりを持たせることができた点でもよかったかと思います。また、斜線の影響で高さの面で厳しさもありましたが、収納量を確保するために小屋裏収納はマストとしました。部屋から直通の計画なので空調を効かせることができ、物置としてだけでなく居住スペースの延長として様々な使い方ができると思います。

前面道路があまり広くないので、敷地の間口を目一杯使って駐車することができるよう、ポーチの段差は作らずにフラットな計画にしています。ポーチ・アプローチを同材のタイルで仕上げることができたので、視覚的に広く見えるという点でもよかったかと思います。

道路際は黒い玄武岩の石材を３種類のサイズを用いてパターン貼りにしました。軒裏の羽目板や花壇の木目調タイルなど木目のアクセントだけだとカジュアルな印象に寄ってしまいますが、濃色の石材を使用したことで重厚感が加わり、バランスが取れたのではないでしょうか。

南向きのバルコニーやトップライトから光が入り込む2階にはLDKと水廻りを配置し、階段の上り下りなく家事ができるように構成しました。また、忙しい日々の中で家事に使う時間を短く済ませ、よりラグジュアリーな暮らしを送っていただきたいという思いから今回は水廻りの設備をいくつかアップグレードしています。

▪ キッチン
広さを確保できたキッチンは、リビング・ダイニングにも広がりを取り込むためオープンキッチンとしました。壁にはステンレスの棚を設え、スタイリッシュで都会的な雰囲気を演出しています。また、奥にあるパントリーもしっかりとした広さを取ることができたので、食器の収納にも困らないよう扉付きの収納も設置しました。

「BOSCH」
近年外国籍のお客様も増えてきていることから、海外製の食洗器「BOSCH」を初導入しました。フロントオープン式の3段構造になっていて、大容量かつ強力な洗浄力を備えています。また、BOSCH独自の乾燥方式「ゼオライト ドライ」を搭載していて、優れた乾燥機能が根強い人気を誇っています。お客様のニーズにぴったりはまってくれると嬉しいですね。

▪ 洗面所
LDKと近い位置関係の洗面所は、なるべく生活感のないホテルライクな空間にしたかったので、壁の大面積をモザイクタイル貼りにしました。キッチンと同様のステンレスの棚はインテリアとしてグリーンを置いたり、見せる収納としてホテルのようにタオルを置いたりしてもいいかもしれません。

「ガス式衣類乾燥機乾太くん」
洗濯物を干す時間を省き、電気式のものよりも短い時間で乾かすことができます。高温の風を送り込んで乾かすので滅菌効果もあり、嫌な生乾き臭を防いでくれます。乾太くんのサイズに合わせた袖壁を作ったので外からは圧迫感を感じづらく、すっきりとした洗面所に仕上がりました。

▪ 浴室
「タカラスタンダード　肩包み湯・ジェットバス」
こちらも初導入となりました。2方向からの水流で温める「肩包み湯」と、泡の力で全身をほぐす「ジェットバス」を同時搭載しています。肩包み湯を使うことで、全身浴よりも少ない湯量で効率的に温まることができるのもポイントです。癒しのバスタイムをより上質なものにしてくれると思いますよ。

3階には居室2部屋と洗面・トイレを持ってきました。部屋の中には小屋裏収納に繋がる階段があります。敷地条件を考え、この間取りが最適だと考えました。また、1階の居室も同様ですが、チャコール色の扉が空間のアクセントになり重厚感のある雰囲気になったと思います。