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Story _ 18

Theme.

広さを感じるLDK空間をどう作る? 

今回の物件は世田谷区にある2階建ての2棟現場です。どちらも連続した空間づくりを意識し、LDKの構成に主眼を置いて計画していきました。また、コーディネートの部分で違いが生まれるよう建物全体のトーンや照明の入れ方にもこだわり、それぞれのカラーを出した邸宅が完成しました。

Project
Location
世田谷区
Floor
2階建て

プランニング

閑静な住宅街で敷地内の高低差もさほどなく、計画しやすい土地だなという印象でした。2棟現場ですが、角地側のA棟は角地というアドバンテージを大いに盛り込み、両棟ともいかに明るく広く見える間取りにするかを検討しました。また、南側道路かつ建蔽率50%・容積率100%のエリアで3層目は難しかったので、2層で個性を出した物件を作りたいと思い進めていきました。

外構(A棟)

一帯を囲むように花壇を設けた居室前のテラスは、景観はもちろん、高さのあるフェンスを入れたり隅切り部分に壁を立ち上げたりしてプライバシーにも配慮した計画を心掛けました。とくに目に入る隅切り部分の壁には建物のシンボルになるような天然石を貼ることでアイキャッチとしての要素や外構のポイントにもなっています。

テラスには立水栓を付け機能性にも配慮した

また、玄関へのステップ部分に間接照明を取り入れて印象的なアプローチに仕上げつつ、夜間の安全性にも気を配りました。

意匠の見どころ

<A棟>
ホワイト×グレーをベースにしたきれいめな印象のアーバンスタイルで、面材やタイルには木目や石筋があるものを使用することで温かみを持たせ、照明は丸い形状のもので構成し柔らかさを演出しています。

▪ 玄関
玄関の壁には、天然石が組み合わされた六角形のモザイクタイルを一面に貼りました。昨年新商品発表会に行った際に見つけ、使いたいと思っていたものです。

▪ リビング意匠壁
通常よりも大きさのある400mm×800mmのタイルを使用し、L字型のライン照明とペンダントライト照明を組み合わせた構成にしました。このような照明の合わせ方は初めてでしたが、意匠壁がよりダイナミックで立体感のあるインパクトの強いものになったと思います。

<B棟>
無機質なアーバンモダンスタイルでA棟よりもシャープでクールさが際立つB棟。2棟現場にはなりますが、各棟で特色を持たせた雰囲気に仕上げました。

▪ 洗面
壁に埋め込んだ大きな鏡や2ボウル洗面に、黒いキリッとしたモザイクタイルと御影石が合わさりホテルのような高級感が引き立つ洗面所。細かな部分まで見えるようエクステンションミラーも取り付け、意匠だけではなく機能性にも配慮しています。

▪ バルコニー
2階バルコニーの壁は、内側にタイルを貼りライン照明を仕込んでいます。バルコニーの壁面に意匠を取り込むことはこれまであまりなかったのですが、室内側からも見える部分であり広いバルコニーの場合は部屋の延長としての役割もあるので、今後もこのような試みをしていきたいと思いました。

2階LDK

今回のプロジェクトは2棟とも共通して、開放的なLDKが特徴です。高天井で吹き抜けのリビングと広さを確保したバルコニーが面していたり小屋裏収納と連続していることで、視覚的にも体感的にも畳数以上の広さを感じることができると思います。また、大きさの取れた意匠壁が深い印象を残す存在感あふれる空間となりました。

<A棟>

写真立てなどを飾ってインテリアとして使うもよし、奥行きがあるのでタペストリーなどを入れて見せる収納として使うこともできます

<B棟>
空間としては一体でも、やわらかく分断されたリビング・ダイニング。家具の配置の決めやすさと独立性を考慮しました。

広く見えるよう明るめの色を使いつつも1階洗面の黒を部分的に踏襲したキッチン

フォスカリーニの照明
マテリアルがコンクリートでできていて、B棟のコンセプトにマッチしていたので採用しました

Review

家族が集い同じ時間を共有するLDKの見せ方に主眼を置いて計画し、畳数以上に広く印象的な2物件が完成したと思います。2階建てならではのダイナミックな意匠壁や広いバルコニーとの連続空間などこだわりを反映することができました。また、A棟のテラスを囲む花壇周りと隅切りの壁が外観のアクセントとなっているため、夜間の印象もかっこよく仕上がり満足しています。

Chief Producer:A.Z
注文住宅の設計士として経験を積んできたが、もっと自分の色を出した住宅を作りたいと思いアイネストに。新しい風吹かせてます。最近は海にハマっていて、休日は釣りやダイビングに出かけています。