Contact
Contact
Story _ 01

Theme.

リビングに書斎があったら?

新しい働き方も広がり、住宅に書斎が求められる時代になっています。
書斎というと一般的にお父さんの部屋というイメージがありますが、今回のプロジェクトでは生活空間と一体になった「家族みんなが誰でも気軽に使える書斎をご用意したい」という思いをポイントに住宅をプランニングさせていただきました。

Floor
2階建て
Location
世田谷区

プランニング

まず初めて現地に足を運んだときの印象ですが、前面道路が広く、まわりに緑もあり気持ちの良い環境だなと思ったことを覚えています。幹線道路からも近くアクセスもいいのですが、1本中に入ったところなので騒音も感じませんでした。しかし、前面道路が坂で傾斜しているので車庫入れを考慮する必要があるなとは思いましたね。

プランを考える上で最初に考慮したのは採光です。両隣の家が高く、側面からの光を建物に取り入れにくいため、上方向からの光を多く取り込めるような建物の計画が必要だと感じました。それでも1階部分はどうしても暗くなってしまうので、暗い印象を与えないようにどうすればいいのか。そういったことを考えました。

外構

道路勾配と車庫の乗り入れ部分で視覚的に不自然さを感じさせないように、車庫土間及び外構の計画は工事のタイミングで業者と綿密に打合せを行い施工しました。道路の方が高い部分については水の侵入を防ぐためのブロックが必要なのですが、花壇を計画することにより意匠性を持たせながらそれを解消しています。

また、今回のプロジェクトは背中合わせ、いわゆる両面道路の2棟計画で、各棟それぞれで個性を出していきたいと思いました。建物の内装の色使いはもちろんのこと、外構部分についてはあえて設計担当者を変えて、内と外でデザインの差別化を図りました。その1つをご紹介しています。

意匠

▪玄関
1層目は光を取り入れることが難しいということは分かっていました。暗い印象にならないよう玄関の空間を視覚的に広く見せるための工夫を凝らしています。例えば、エントランスにある鏡です。鏡の視覚効果で空間が広く見えることはよく知られていることかと思います。

側面にも壁掛けの鏡を設置していますが、普通に設置してしまうとエントランス側に縁の厚みが出てきてしまいます。数cmもないものですが、そういったものにも人間は知らず知らずのうちに圧迫感を感じたりすると個人的には思っています。そういった感覚を生み出さないよう、この物件では鏡を壁にはめ込むように設置しています。

▪収納
アイネストの物件は、天井まであるドアやクローゼットが特徴です。こうすることで空間を広く感じていただけると思います。クローゼットの枕棚収納についても、天井付けの扉にすることで枕棚上の置きスペースも余すことなく使用できるようになっています。無駄な空間を作らないアイネストのこだわり部分といえるのではないでしょうか。

▪リビング天井
こちらの物件ではリビングの勾配天井を伸ばそうとすると、母屋下がりの大梁にぶつかってしまい天井に段差が生じてしまいます。段差がついたそのままの状態では内側(リビング側)から見た際の意匠が美しくないなと思い、それを解決するためにあえて平天井を作り羽目板とダウンライトを設置しました。また、勾配天井へ向けて間接照明を仕込むことによって、段差が生まれてしまう部分を意匠と機能で取り込めたのではないかと思っています。

▪天窓
プランニング時から考えていたようにいかに採光を行うかは課題の1つでした。
勾配天井の高い位置に窓を設置し、トップライトを多く取り入れています。南側が建物1層分高くなっているため、上からの光を多く取り込む工夫を行いました。
前面道路の広さを活かした開放感、またトップライトから日光が降り注ぐ、気持ちの良いリビングになったと思っています。

書斎

書斎としては珍しい位置ではありますが、あえてダイニングとリビングの真ん中に配置しました。一般的に書斎といえばお父さんが使うもので生活とは切り離されたものというイメージがあると思いますが、時代が変化していく今だからこそ家族みんなが誰でも使えるような書斎をプランニングしたいと考えたためです。当初のプランニングではガラス窓部分に引き戸をつける予定でしたが、開放しても扉1枚分の面積が残ってしまいダイニングとの一体感がなくなってしまうこと、さらにキッチンとの距離が取れず動線の狭さが際立ってしまったので、それらを解決するため斜めの位置で扉を取りつけました。

・検討プラン

・完成現場

書斎を完全に壁で囲ってしまうとリビングへの圧迫感と塊だけを生み出してしまうため、あえてガラス窓にして生活空間とのつながりを持たせています。
また、これは副次的な効果でしたが書斎への入り口を斜めにすることで階段室の壁も斜めになり、階段室に設置したペンダントライトが映える企画と出来たのは今後のプランでも活かしたいと思いました。

大人のための書斎やテレワークスペースとしてだけではなく、家族の目が届くリビングでのお子さんのちょっとした勉強部屋としても使えるいい空間に仕上がったと思います。

Review

完成した物件に足を運んでみて、思い通りになったなと安心しました。キッチン、リビングから書斎へ空間のつながりを感じることができます。私にも小さな子供がいるのですが、もう少し大きくなったらこういう書斎で子供が勉強している姿を見守ったりできるのかな。なんて妄想を膨らましていました。誰でも気軽に使える家族みんなのための書斎。できたのではないでしょうか。

Chief Producer:Icarus
無類の石好き。自分が住みたいと思える家をお客様にがモットー。宅配ボックスのカタログ集めています。
子育て奮闘中。趣味は音楽で、自宅には防音室を完備。